鍼 灸​ 

Acupuncture and Moxibustion

よもやま話

🔘鍼灸とは

鍼灸とは身体の表面にある経穴(ツボ)に刺激を与えることで治療を行います。
その歴史は古く、中国から伝わり、日本で独自の発展を遂げた伝統的医療です。

鍼灸の効果は多く、鎮痛・鎮静・筋肉のこわばりの解消だけではありません。

鍼灸は自律神経に作用し、内臓の不調を整える効果もあります。
高血圧・胃や大腸の不調、また婦人科疾患などホルモンバランスを整える効果もあります。

いろいろな症状に対応できる理由として、

①鍼灸の【全身を診て治療】を行うこと

②人間が持つ治ろうとする力、すなわち自然治癒力を高めること

この二つが大きな理由です。

鍼灸のメカニズムは科学的に完全には解明されていませんが、近年世界的な研究が進められています。

モルヒネ様物質が鍼灸治療によって放出されることや、

また幾つもの疾患に対して、鍼灸治療が有効であると世界的に認められ、鍼灸治療の活躍の場が大きく広がっています。

 

🔘世界保健機関(WHO)が認めた鍼灸適応疾患

 

​WHO(世界保健機構)は鍼灸治療に有効であるとされる適応疾患を発表しました。

これを鍼灸治療における国際的評価基準としています。

その後、米国国立衛生研究所(NIH)も鍼灸治療の効果、及び、科学的根拠等の見解を示しました。

これにより、鍼灸治療は西洋医学の代替医療として注目を集めました。

さらに近年、WHO総会にて漢方学とともに鍼灸が【伝統医療】として認定され、鍼灸治療が再評価されています。

​《 鍼灸適応疾患一覧(WHO)》

●神経系

神経痛・頭痛・歯痛・ヘルペス・しびれ・神経麻痺

●運動器系

​五十肩・頚肩腕症候群・腰痛症・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・変形性関節症・関節炎・リウマチ・寝違い・筋肉痛関節の捻挫・腱鞘炎・むち打ち症・テニス肘

●消化器系

​胃痛・胃炎・胃痙攣・胃酸過多症・胃十二指腸潰瘍・慢性肝炎・胆石症・慢性腸炎・便秘・痔瘻・下痢・胃下垂症

​●循環器系

低血圧・高血圧・心臓神経症・動悸息切れ・浮腫・冷え性

●内分泌系

糖尿病・甲状腺機能障害

●呼吸器系

風邪・咽頭炎・扁桃炎・気管支炎・喘息・咳

●泌尿器科

慢性腎炎・膀胱炎・ネフローゼ・前立腺肥大

●感覚器系

眼精疲労・仮性近視・白内障・副鼻腔炎・耳鳴り・メニエール症候群・眩暈

●婦人科系

生理痛・月経異常・更年期障害・乳腺炎・つわり・冷え・生理前症候群

●小児科

小児喘息・夜尿症・夜泣き・疳の虫・消化不良・虚弱

●その他

​自律神経失調症・不眠症・心身症・ストレス性疾患・アレルギー疾患・アトピー性皮膚炎・慢性疲労・成人病の予防

 

数多くの適応疾患に、鍼灸の奥深さを感じます。

もちろん患者さん個々の症状であったり、治療家側の力量によって力が及ばないこともあります。

​これはあくまでも国際的な鍼灸適応疾患の概要です。

 

🔘お灸のあれこれ

◆お灸とは?

 

 お灸とは昔から庶民に親しまれてきた民間療法です。

淡い栗色のような塊は【もぐさ】と呼ばれています。

もぐさとはヨモギの葉の裏に生えている細かな綿毛を特別な製法で集めたものです。

 

皮膚に乗せて火をつけヨモギの成分を熱の力を使って浸透させます。お灸といえばイメージ的には三角の山が噴火している感じですね。直接皮膚に接するやり方は少なくなり、今は火傷の痕が残らないようにするのが主流です。

ヨモギは和漢の一種で昔から日本人に馴染みがある植物です。

 

ヨモギの薬効としては健胃や解熱作用、利尿効果や止血等に用いられており、春には草餅にして食べたり、またある時はお風呂に入れて香りを楽しんだり養生のために使われていました。

 お灸の主な方法は二種類あります。

皮膚に直接もぐさを乗せて着火する【直接灸】と、皮膚との間隔をあける【間接灸】があります。

 

直接灸は一般家庭で行われる事は少ないです。

今は直接灸をされるのは鍼灸師だけだと思います。

火傷の恐れもありますし、何より痕が残るお灸を好む人が少なくなりました。昔は温泉に行くと背中に丸いお灸の跡があるお爺ちゃんお婆ちゃんが多かったですが今は見かけなくなりました。

最近は後者の間接灸が人気になっています。もぐさと皮膚の間に隙間を作ったものや、

にんにくや塩、味噌や生姜などを乗せてもぐさを燃やす方法があります。

 

お灸がなぜ体に良いのか等のメカニズムはすべて解明されていませんが、その効果は世界保健機関(WHO)も認めています。

長年日本人に愛されてきたお灸ですが女性を中心に人気が再熱し、温活という言葉もいまや定番ですね。

 

最近では女性向けに果物やアロマ、花の香りのお灸が商品化され人気を後押ししています。

冷え体質や日常的にストレスにさらされている現代人にお灸はとても合います。

 

 

◆お灸の効果・効能は?

 

お灸の効能は多く、自律神経やホルモンに作用することが確認されています。止血作用により血小板の働きを促し、増血作用で赤血球、強心作用で白血球の働きを促すと言われています。自律神経が乱れがちな現代人にぴったりな療法です。主な効能は下記の通りです。

 

◇血行不良の改善◇

 ツボの下にある筋肉や神経を刺激するだけではなく毛細血管が拡張させる事によって血液の流れを良くします。

 

◇リラックス効果◇

 もぐさには鎮静効果のあるシネオール(チネオール)という精油が含まれています。皮膚の表面から浸透し強張っていた心をほぐしてくれます。

 

◇鎮痛効果◇

 神経の興奮を抑えてくれる効果があります。特に神経痛や冷えによる痛みに効果的といわれています。

 

◇免疫アップ◇

 灸は自然治癒力を高めます。細胞の活性化や免疫機能を担う白血球の働きを促すと言われています。

 

 

◆お灸を置く所──ツボって何?

 

東洋医学では私たちの体にはいくつもの経絡(けいらく)と呼ばれる気が流れる道があります。

その経絡の道上にあるバス停みたいな存在が経穴=ツボです。体に不調があるとツボに反応が出ます。そしてそのツボを使って気の流れを良くすることが出来ます。

 

ツボは不調を知るスイッチであり治療点でもあるわけです。